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続・靴を作るのだ(1)

続・靴を作るのだ

その1

その2

その3

その4

その5




「また始まりましたか」

『また』って言うな。ここでの試行錯誤がどれだけ人のためになっているか」

「なってるんですか?」

「さあ・・・」

「・・・・」

「とにかく、打撃シューズ業界に一石を投じ続ける連載が」

「そんな業界あったんですか?」

「いや、だから・・・」




前回、いちおうの完成となったFays(改)。実技班レッスンでさっそく使い始める。(99年)9月の25日だったかな。

当然のことながら、沈み込む感覚はない。ただヒールの接地面積が小さいためかグラグラする。安定して立つことがむずかしい。ちょっとバランス崩したら足をくじきそう。ヒールの高い靴履いてる女の子の気が知れない。慣れるまでちょっと時間かかりそう。

前半クラスのホーンパイプ、ヒールアップの状態を維持するのに苦労する。ちょっと気を抜くとヒールが床に引っかかる。引っかかると、靴全体ではなく、かかとだけが別の動き(床に残るというか、ねじれるというか)をして気持ち悪い。

約1時間で多少は慣れたかな、というところで後半クラスへ。フロントクリックをやってみる。

「カンッ!」

と、メチャメチャ響く音。

もう一度やってみる。

「カンッンンンンン・・・!(ちょっと大げさ)」

それまで使ってたPacelliにくらべても、Rutherfordとくらべても(ほとんど感覚忘れちゃいましたけど)、鳴らしやすいのなんの。ヒールが高いから当然といえば当然なんですが。

しかも鳴った音が響く。ファイバーのヒール同士だと振動が早く減衰するのか「コンッ」って音ですけど、こっちはヒールにもTapsをつけている分、トーンが高くて長く響く感じ。

おー、これは気分いいぞ。

その次の回だったか、右足のつま先で左足のヒールを叩くようなステップがあったんですけど、このときも内側に寄せたボールタップの効果で「パチッ!」と鳴る。ふははは。

で、その後数回の実技班レッスンと、数回の自主練と、関西玉砕ツアーの振付・練習・本番を経て、いまこの靴のヒールがどうなっているかというと・・・。


これは右のかかと。ヒールピースの根元がかなり凹んでるの、わかります?


これも右の靴。これだけ広範囲に傷つくということは、わたしの左足のかかと感覚がまだまだだということでもあります。


(つづく。)

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