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 なんかすげー長い連載になってしまったなあ。
 

靴を作るのだ(その8)

靴を作るのだ

その1

その2

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その5

その6

その7

その8


 



やっとのことで届いたFay'sの「トゥピースなしのJig Shoes(二重底)」。

こいつにタップのチップ(Taps)と滑り止め用のゴムをつけるわけなんですが、やはりここでもプロの手が借りたい。Rutherfordの真っ白な靴裏ゴムは不細工でしたからね。

RyoさんのDANSKYの靴を見たときに、そのTapsと滑り止めゴムの取り付けがきれいだったんで、どうやってつけたんですかと聞いたら、中野のパピヨンで加工してもらったのこと。



だもんでわたしもパピヨンへ。

これこれこういうわけでTapsつけたいんですが、と趣旨を説明。かかとの素材が気になったようで、「これはアイリッシュのハードシューズを云々」という話をしたら、応対してくれたお店の方(女性)が「あーこれがあのリバーダンスの靴なんですか」「いや、あの、正確に言うと・・」「ねーみてみてこれほらリバーダンスの」「へー」と周りの人が集まってきたりして。

Tapsといえば当然のようにCapezioになるんですが、どうせならやっぱりマイケルさまと同じようなTeletone2をつけてみたい。ですが、このTeletone2ってやつが、まだ広くバラ売りしてないんだそうですね(基本的に靴とセットでついてくる)。ソールは2重にしてあるんで、Teletone2のネジ受けを埋め込む加工には耐えられると思うんですが(オリジナルのTeletoneは木ネジ的に革にねじ込むだけ)、モノ自体がないんではしょうがない。しかもサイズにあまり種類がないそうで、この靴に合うかどうかが微妙なところ。

オリジナルのTeletoneを使うことにして、サイズ的にはボール部分がNo.1、ヒール部分がNo.3でぴったり。ただヒール部分の素材的にクギ&ネジが入るかどうかがわからないので(しかも本体のネジの位置がTapsのネジの位置とかぶるのよね)、お店の裏の方で技術者の方にちょっと試してもらう。

数分後、本体のネジをはずされたFay'sを見せられて、「ちょっとこれは無理ですね。硬すぎてクギが打てないんですよ」と。

細かい話をすると、TeletoneのTapsというのは、あらかじめ反響板と称する黒いファイバーボードを小さいクギで打って、その上からネジで金属のTapsをネジで止めるようになっているんですが、このクギがFay'sのヒールに使われているプラスチックのプレートに入らない。

プレート(矢印部分)をはずしてファイバーのピース本体に打ってみたらなおさら入らない。



相談の結果、ボール部分と滑り止めのゴムの加工だけをお願いすることに。Tapsがボール2枚で1,300円、ヒール2枚で1,300円。取り付けで1,000円。ゴムの加工&取り付けで1,000円。しめて4,600円。できたら宅急便で送ってもらうことにする(送料500円)。

1週間もたたないうちにクロネコヤマトの宅急便。こういう状態のモノが届いたわけです。

だんだんそれなりの姿になってきましたでしょ。注文するときに特にお願いして、ボールタップを内側に寄せてつけてもらったんですけど、写真でわかりますか?

これは左の靴。アイリッシュではボールの内側どうし当てたりボールの先でヒールを叩いたりという動きはありますけど、ウィングとか足の外側を使うことってあんまりないですからね。



さてヒールにTapsをくっつけるわけですが、ここで取りいだしましたるは、これ。東急ハンズとかDIY店で売ってる、木ねじ用の穴開け器。種類はいろいろありますが、高くても1,000円はしません。



左から靴本体・反響板・金属のタップチップ。反響板には7カ所に小さな穴が開いていて、4つがクギ用、3つがネジ用。この7つの位置を決めて、Fay'sのヒールにさっきの穴開け器でガリガリと穴を開けていく。さすがは専用の道具、確実に掘り進んでいけます。

ピントが厳しいですがこれが反響板をクギで打った状態。これは実は失敗で、ホントはもっと深く、クギの頭が盛り上がらない程度まで打ち込む必要があります。写真のように頭が1〜2mm出ているだけでも、金属のチップをつけるのが困難になります。

そしてこれが金属のチップまでつけた状態。いちおうの完成。



話を先取りしてしまうんですが、ここでまた問題発生。これを履き始めて4時間目くらいでネジがゆるんできてしまいました。フツーのタップシューズならまたネジをきつく締め直せばいいんですが、この塩ビにネジ止めした状態というのは、素材に弾力性がないので、一回ネジがゆるむと、もう二度と元の強度でくっつけることができないんですね。

現在、このヒールはネジ穴に瞬間接着剤を流し、Taps自体はG17ボンドでがっちり接着しています。これから同じようなモノを作ろうという方には、無理してヒールタップをつけないことをおすすめします。



(つづく・・・かな)

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