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RDreport12月16日夜

12/16夜

Q-TIPさん

K.D.NARUSEさん

とんがりやまさん



お久しぶりのドクターK.D.NARUSEさん。UTFCで盛り上がった去年がなつかしいですねえ。


 私事であるが、RIVERDANCEを見に行くのは今回で三回目。

一回目は待ちに待ち焦がれた大阪初公演の日。あのとき私は医師国家試験の一週間前だったが意に介さず(苦笑)、強引に見に行ったものだ。その結果はご存じの通り、満場のスタンディング=オベーション、そして客電がついても観客が誰ひとり帰らないとんでもない大騒ぎ。私はすっかり気をよくして(笑)試験を受け、その後卒業旅行に行ってベルリンでもう一度見て、そして帰ってくると運良く合格していた。(笑)

あれからもう2年近くが経とうとしている。その間、moriy氏はじめ実技班は活動を続けられ(いいなあ)、世間のアイリッシュ熱はゆっくりと燃え上がって来ていたように感じられるが、私は到底その中に入ることもできず「死んだふり」をして黙々と働いていた。

 しかしRDは前回帰国時の約束通り再来日してくれた。私は12月にたった二日間だけの休みをこの土日に費やすこととし、仕事の合間にチケットを数カ所で確保した。結果は...e-plusは金曜日・スタンド、土曜日夜・6列目の左端。インターネット先行予約は土曜日夜・13列目の32番、これは中央のベスト位置だ! 他のチケットは妹たちに譲り、より広くRDを布教(?)するために活用する。
(moriy注:この複数エージェントをおさえる、という手法は、オークション等でのやりとりも含め、チケットを欲しがる人が増えた現在、いちばん賢いチケットの取り方ですね(「関係者席」という裏技は除いて))

チケット争奪戦は今年も激しかったが、前回同様「知ったときにはもうチケットがない」状況(先行予約多すぎ!)があったのは実に残念だ。しかし先行予約は昔からずっとファンだった連中(俺もか?)にはむしろ得でもある...問題は大阪城ホールのアリーナであること。席が固定にならないので、どんな席の組み方をしているのかが読めないのだ。しかも昨年は熱気むんむん音響最高のホールだったが、今年は...やや不安を抱えつつ会場へと向かう。会場前のモニュメントは美しい。昨日母親と妹はこの点灯式も見ることができたらしい。2008年オリンピックはこの「情熱の街」大阪に来ることがあるのだろうか?...無理だろうなあ(笑)

 大阪城ホールは球場を除けば関西最大のアリーナであるが、さすがに最近は古さを感じる。また音響としてはやはり天井が高くだだっ広いことから期待できないが、それでも関東のアリーナに比べれば悪くはないという話は聞く(東京行かんから知らん)。いろんな外タレがここでライヴしているが、RDを見ることになるとはね。(苦笑)アリーナは可動式の雛壇にイスを並べたもので、このイスは長時間座るにはきつい。私の席は中央、コンソールから5列ほど後ろの最も音響の良い場所である。ラッキー☆ 客の入りは良好。ネスカフェが例によって配られていたが、今回は飲まず。

 開演。音響は思ったより悪くない。ただ低音を作りすぎていてイマイチ(特にベースの音は回ってしまってキレがなく、涙が出るほどヒドイ)だが、アリーナとしてはまずまずの出来か。スピーカーは宙づりのやつ(なんて呼ぶのかはしらん)で天井も高く音づくりも難しいと思うが、タップの音も良い。ただソロや楽器の定位は今ひとつで、ややモノラルな音像になってしまっている。今日はベストメンバーで登場、ダンスのキレもよい。比較的無難にショウが進む。残念だったのはモーガンさんの欠場で、代わりの方は観客をつかみきっていない印象を受けた。昨年の公演では無名のおっちゃんが素晴らしい迫力のある熱演で観客の心をつかみきっていたので、これは決して名前の問題ではなく、このあたり更に実力を磨いていただきたいところ。アリーナの盛り上がりは良い。

 後半に入り(休憩時間にちょっと外に出ると通路が全て喫煙所になっていてもうもうと煙幕が張られているのには閉口した)、ストーリーとしてはそれほど変わった印象を受けないのだが、何がいけないかと言えば観客がこのアイリッシュの人々のストーリーを理解していないのでは?と感じた。アイリッシュの流浪のストーリーが理解できなければ、後半のショウは単なる世界各国のダンスのショウケースにしかならない。そのあたり、昨年の日本語のナレーションはごっつカッコ悪かったが、それは考えものとしても例えば翻訳の字幕を表示するとか(パンフの中には入っていたけどね)、何らかの伝える方法が必要なのではないだろうか。特に今年はアリーナになって観客数も増え、よりRDの成り立ちを知らない人が増えているのでそのように思われたのだろう。昨年以上にAmerican Wakeでの観客の置いて行かれ方が酷い。

 マリア姐さんの迫力は変わることがない。関西のコアなフラメンコファンがこのためだけにRDに来ているのでは?と感じられるほど、マニアックな歓声が多く聞かれた。昨年の髪留めを飛ばしながらの熱演の方が、熱さは感じられたが...カスタネットで参加するところも特に変化はない。うーん...ちょっと無難にこなしすぎか?(それともより大きなホールで見ているせいか?)私の一つの目当てであったモーリン=ファイ大先生のフィドルは今回もパワフル!フレージングにも昨年以上にバリエーションが増えた感じで、これにはもちろんソロ・アルバムを出してただいま絶好調といった意欲が感じられてとてもうれしい。(去年アイルランドでCD探したら「彼女のソロ・アルバムはまだ出る気配もないよーん」なんて言われて結局REALTIMEのアルバムだけ買って帰ってきたもんなあ)

 さて昨年は総立ちの大騒ぎになった関西の観客だが、今年はそれよりはおとなしいものの、昨年変拍子にとまどってしまっていたRussian Dervishでも多くの拍手が聞かれるなど、盛り上がりはとても良い。しかしそもそもショウそのものの流れが、素直にエンディングに向けて観客をヒートアップさせて行った昨年のものに対して、Milleniumとして追加された部分においてやや間延びしていて勢いを失わせている部分を感じてしまい、もどかしいものを感じてしまう。リピーターを飽きさせないための努力はとてもよく分かるが、原点回帰が次のRDのテーマとされているのも何となく分かるような気がする。ラストの新曲ではブロードウェイなライティングで観客を圧倒する。この部分はMilleniumならではの迫力!エンディングが近づき、観客はパラパラと立ち始める。昨年の「一人が立ったらあっという間に全員が立っていた」的な盛り上がりとは違うが、それでもここはだだっ広いアリーナ、最後の最後に全員が立ち上がってそのにぎやかさたるや比べものにならない。スタンドは冷静に座っていたようだが...?周囲の反応も「立つな、見えへんやんけ」ではなく、立ちたいんだけどきっかけがつかめないというポジティブなものだったように感じられた。いいノリだ!ステージにもきっと伝わったに違いない。最終日はステージももっとヒートアップしていたというから、どこかで海賊版のビデオでも発売されていないかなあ?(笑)

 少し冷静な目で書いてしまったが、一緒に行った人は感動して泣いていたし、他にもそんな人がちらちら見受けられた。昨年以上にパワーアップという触れ込みは嘘ではなく、アリーナを埋めた観客を大いに盛り上げた素晴らしいショウだったと言えるだろう。存分な満足感を胸に帰宅。

 次回は......できればまたホールで!


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