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Millennium の Riverdance

11/20夜

shunさん

Fujieさん

おきくさん



Airの流行語作家、Fujieさんの本領発揮なレポートです。


本日の出演
Breandan de Gallai
Julie Regan
Maria Pages
第一幕 50分
休憩 15分
第二幕 70分

19:10 開演

ざわめきは緩やかに期待に満ちた静寂へと変わり、Whistleが心地よい響きを奏で、待ち侘びた心を夢の世界へと誘う。

"Out of the dark ,,,"

幾度となく聴いたナレーションが響くその時、最初の、も聴き終わらぬうちに"さわっ"と鳥肌が立ち、右の指先から全身へと、流れゆく血流に合わせてじわじわと、確実に広がる。
それは今や留まることは無く、全身が彼等・彼女等の目覚めを求めている。

- Reel Around The Sun -

 その夜明けはしかし、単に幻想的ではない。
暗く押し包む、その長く重たい闇を全身で振り払い、あたかも過去との決別を宣言するように、鋭く、そしてステージの床を踏み抜かんばかりの力強いステップが響く。

去年と違う印象に、
のっけから打ちのめされ、圧倒される私。

今度のRiverdance は凄い、、、

 Breandan de Gallai も、高く、速く、鋭い。
『円熟』と言っていいかも知れない。(あの独特のスタイルやカリスマを別にすれば)"MF超えた"という評も、あながち大袈裟とも言い切れない。

 Joanne Doyleを気に病みながら見たJulie Reganは、決して代役などではなかった。優しく舞うごときでありながら、彼女のステップもまた同様に、そして美しく、繊細。

 炎をバックに、すっくと立った彼女には、もはやそれだけで充分な"力"がある。Maria Pages を称えるのに、「圧倒的な存在感」などという言葉も、もはや陳腐とも思われる程。その指先から肘へかけての柔らかさと、更には肩、そして全身へと流れる力強さに翻弄されるばかり。
まさしく彼女は『人間の姿を借りた女神』なのかもしれない。

 Trading Taps は更に充実し、掌が痛くなり腕が疲れるまで、ひたすら楽しめる。
 Air では話題になりにくいMoscow Folk Balett co. もしなやかで、そして"Cute "で"Lovely "

観客は、ただステップに撃たれ、感動するしかない。

もう一つの見所は、Singer やOrchestra のパワー。
イーリアン・パイプのドローンが奏でる音色は優しく全身を包み、高く硬めにチューンされたリズムセクションが小気味よく跳ねる。
Mairin Fahyのフィドル、Noel Eccles(あってる?)のバウロン、Maria Pages のカスタネットのセッションも明るく、嬉しい。
もちろん三人のシンガーも素晴らしく、特にMichel Bellが一曲だけのための出演というのは、ものすごく贅沢である。
注目の"Ri Ra"は純粋で美しく、どこか切ないメロディーに心が洗われ、知らずのうちにこぼれた涙に気づく。

絶対に、見て損はない。
(違う!)
何度見ても損はない

間違いなく、そう言い切れるステージだと思う。
しかし、あまりにも残念なことに、公演日数は限られており、そしてまた、二時間はあまりにも短い。
きら星のごとく居並ぶパフォーマーたちのステージは、まさしく『Millennium』と冠するに相応しい。

さあ、あと一度、28日にも参ります。


参考Liffey co.


実は今回、気にしていたことがいくつかあったのです。

先ずは今回のRiverdance2000 が果たして、TheShow の延長線(すなわちDublinに始まり、Live from NYC昨年の日本公演、そしてthe Homecoming へとつながる系列)にある内容・演出なのか、或いはOn Broadway からのものなのか?
結果は前者であったわけですが、この辺りは分かっていて見るのとそうでないとでは、何れかを見たことのある人にとっては心構えに違いが出ると思います。そんなこともあって敢えて掲示板には書き込まなかったのですが、、、まあ、どちらにしても素晴らしいことには変わりなかったわけですがね。

そしてLOTDSOTDの際にあまりにも気になったあの、音響のこと。
今回は座席が28列と、比較的後方だったためか、全く気になりませんでした。
音楽が大きくなる時には、タップの音も同時に大きくなるのはまあ、十分許容できます。
むしろ、注意深く聞いていたにもかかわらず(粗探しみたい、、、)、音像がきれいに構成されていたと思います。
しかしながら残念なことに、コンプレッサーか、或いはモーターなどのうなり音のような、低音ノイズがあったのが、唯一減点でした。
これさえ無ければパーフェクトなのに・・・、ものすごく残念です。(今からでも間に合いますよ> 音響さん)

November 22, 2000 文責Fujie



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