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『ナショナルタップディ10周年記念公演』






2003年4月27日(日)13:00開演
@新宿シアターアプル12列35番

今年のナショナルタップディは25日(金)のライブハウスSTB139と、26、27日のシアターアプルと、2つの異なったロケーションでの開催でありました。個人的には「平和の森」や宇川さんの出るライブ編は押さえておきたかったんですが、どうにも都合がつかず、27日13:00〜の回しか行けませんでした。

構成は例年のごとく、各パフォーマーが約5分ずつかわるがわる登場するカタチ。 前半1曲目、つかみのR3 TAP-HOLICはアカペラに始まって客席の手拍子との掛け合いに続く構成。いきなりアクセルで客席を暖めていくというのも大変な位置だと思いますが、充分に盛り上げていたように思います。

5曲目J-CLICK、去年に比べると見た目よくなっていたと思います。アイリッシュの曲で始まって三味線で終わる曲で、タップでもなくアイリッシュでもなく、ジャズでもなく、吉野さんらしいといえば吉野さんらしい振り付け。キメのポーズが格好よく、かなりの拍手もらってましたね。

9曲目Tokyo Rhythm Boys、今回は「何々シリーズ」ではなく(いつぞやのハワイアンとか)、白い衣装でシンプルに。もう完全に「TRBスタイル」というものができているんでしょうね。

11曲目は大御所、中川裕季子さんのソロ『Tap is "A Love Supreme"』。このパフォーマンスは素晴らしかったです。今回の舞台は、ステージ前端(客席側)にマイクを並べてあったんですが(ホントはもっといっぱい隠してあったかも)、それとは別に、舞台中央においてあるイスと、おそらく靴にもマイクをつけてらっしゃったのではないかと。そのイスに斜に腰掛け、ボンゴかコンガのようにイスをたたき、ひとしきり鳴らした後にタップソロへ。これが実にいいんですわ。動きに派手さはないんですが、確実に音楽があるというか。
中川さんももうけっこうなお年だと思うんですけど(なんたって中川ツルーパーズ)、それでもステージであれだけのいい間が出せるというのはすごいことですよね。あんな感じで年が取りたい、と多くのダンサーが思うはず。

第1部最後のナショナルタップデイアンサンブル『シアターに愛を込めて』。オーディションで選ばれた22人のチームでの曲です。振り付けは冨田センセなんですが、選曲も振りもタップ音も非常にいい感じ。センセには申し訳ないですが個人的には後半トリのSOUND KISSの曲よりもこっちの方が圧倒的に好き。衣装も構成も非常にわかりやすくて、誰が見ても楽しかったと思います。この人数でステージいっぱいに使ったシアタータップ、めったに見られませんしね。

続いて後半第2部。
昨年のNTDで、「木箱」の打撃で度肝を抜いた古庄里好(ふるしょうのりたか)さんのチームが「BOX MEN」として再び登場。今回はアカペラ&『剣の舞』(ハチャトゥリアンでしたっけ)。基本的に見せ方はそれほど変わらず、前回始めてみたときほどのインパクトはありませんでしたが、その迫力と存在感はダントツ。この日一番の拍手量でした。

個人的拍手量の1位は成川直人さんと加藤忠さんのデュオ。スタイルとしてはTRBとかぶってしまうかな、という感じでもありますし、さりながらTRBほどの舞台上でのキャラの強さ(^_^)はないかも、なのですが、出す音の粒立ちがサイコーであります。こう、二人並んで踊りながらアイコンタクトとかしているんですけれど、そういう視覚的なコミュニケーションだけでなく、二人それぞれが出している音が会話している感じ。小さい音から大きな音まで、ものすごく気を遣って曲を作っていると思います。以前見たときにはあまり印象になかったんですが、このお二人渋くて素晴らしいです。ちょっと追っかけたいです。

白井センセ(G.E-Japan)は歌・朗読(というか台詞か)とタップのコラボレーションというカタチ。ほかのチームとがらっと変わったなつかしほのぼのスタイル。これまた白井さんスタイルですね。いくらタップ好きが集まる日だとはいえ、全編前に出る打撃ばかりだとさすがに疲れますから、こういう抑えたタップがあるとうれしいですね。

KAZUさんはかなり長い時間舞台に立ってらっしゃいましたけど(時間オーバーだった?)、残念ながら印象薄。ライブハウスで見た方が良かったのかなあ、と。

なんとなく全体に、「個性」とか「スタイル」というものを考えさせられる舞台でありました。これだけ人数が出てくると、どうしてもその中での自分の位置みたいなのをみなさん考えてないといけないんでしょうね。

(2003/5/2)


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