RD2008:6/11夜:

当日券でRD観戦。よござんすねえ。
Jun. 22 2008
posted by ちゃーりー

仕事が早く終わったのでちょいと赤坂まででかけてみた。ありがたいことに今の職場は溜池山王まで地下鉄で数駅、こんな衝動的な観覧は以前住んでいた郡山(福島県)では考えられない。念のため会社を出たところでACTシアターに電話をし、当日券の有無を確認した。「余裕はありますか?」との問いに「大丈夫です」の答え。自分は見たいけどでも満席になることを祈るファンとしては複雑な心境だ。

 開演の40分ほど前に到着して窓口へ並ぶ。私の前に並んだご婦人が「HIPの○○さんの紹介で、手に入ったチケットは2階席の後ろの方なんだけど、当日券でもっといい席に取り替えてもらえる、と言われたんですが」って。そんなのが認められたら誰もが入場前に当日券売り場に並びますって。結局、HIPの神通力は通用しなかったらしく空席はもっと後ろの席しか無かった模様。おばさんは諦めて去っていきました。で、私が手に入れた席はそのご婦人の3つ後ろの席で2階席I列の真ん中やや左よりでした。思い返してみると、2階席に座るのは99年の初来日以来。あの時は広い広い東京国際フォーラムの最後列の一番端という、ある意味得がたい経験でした(過去レポ参照)。今回のレポートは1階席と2階席で受ける印象の違いや、公演全体の小ネタなどでまとめてみよう。

 まずは2階席の不満な点から。筆頭は言うまでも無く「遠いこと」。ダンサーの足の動きなどは見えづらく(視力にもよるのでしょうが)、また見下ろす角度の関係でスクリーンの映像は上の方が切れてしまっている。「Fire Dance」のROCIOさんの繊細な手・指の動きに惚れた者としてこれは非常に残念だった。あとはダンサーの視線が向いてくれないこと。退場の時やフィナーレで手を振るのはどうしても1階席の方を向いているので少々寂しく思える。見返してみると不満な点はこの2つ位で、むしろいい事の方がいろいろ思いつく。ただし先に申上げておくとこれから述べる点は「利点」であって必ずしも「優位性」ではない。1階席には1階席としてのいい点がいっぱいある。ただ2階席でも「S席代金の価値はある」、ということだ。

 2階席の一番いい点と言えば「ダンサーの立ち位置、フォーメーションがよく分かる」ところだろう。「Reel Around The Sun」や「Thunder Storm」等、様々な演目でダンサーたちはいろいろなフォーメーションをとる。横に近い視線から見る1階席と違って2階席からは複雑な動きまでばっちり見える。休憩時間に「よくあんな風にピタッと位置が決まるよね」って会話が聞こえたが、2階席から見ているとつくづくそう思う。ちなみにダブリナーズイベントでTakaさんが仰っていたが、舞台上に立ち位置を示すマークがあるらしい。

 2階席で観ていて強く感じたのは音響の良さだ。1階の近い席だとスピーカーから聞こえる音の主張が強く、「生音感」に若干欠ける気がする。それに対し昨日は歌も演奏もステップの音も、舞台から直接聞こえてくる印象が強かった。実際はホールの中を響いて伝わって来るのだろうが、これはホールの音響設計によるものだろうか。その場にいて使うには妙な単語だが、まさに「臨場感」のある音響だった。「Heel Their Heart」のMARKさんの声はホール一杯に響き、圧巻のソロだった。

 今回の公演に限らず、1階席の比較的前の方に座った方がレポートでしばしば書かれている不満に「前の人の頭が邪魔」というのがある。今回の公演でも、私が最初に東京公演を見た時の席は1階D列とかなり前方だったのだが、その辺りだとシートの配置がほぼ平面になっていて、自分の前に大きい人が座るとかなり観づらかった。翌日見に行った時は1階の中ほどの位置だったのだが、それでも前の人の頭はかなり邪魔だった。これが映画なら視線は比較的上なので、中ほどの位置からなら全く問題はないだろう(映画を前から数列目で見ることって多分ないと思う)。また歌手のコンサート等でもとりあえず顔だけでも見えれば、満足はできなくとも我慢はできる。しかしRiverdanceでは足元が見えなければ生で観た価値が数割落ちる。その点2階席だと客席の配置角度が急なので前に座る人はほとんど邪魔にならない。暗い客席の中でごそごそ動かれると多少気になるが、ステージへの視線がさえぎられることはない。

 最後にこれはどちらが良いとは言えない1階と2階の違い。それは客席が暗いことだ。1階席だと舞台の照明がけっこう客席まで届いている。「Thunder Storm」や「Riverdance International」の最初の照明演出などは時に目が痛く感じることさえある。2階席から見るとステージは暗闇に浮いているように見え、天井からのスポットライトの射線やその動きもよく分かる。同じ演出でも客席によって見え方が全然違う点が面白い。

 ここからは公演の中で私が気付いた点、興味深く見ている点をいくつか挙げてみる。まずはプリンシパルについて。今回の来日公演ではアイリッシュのプリンシパルは男女3人ずつがパンフレットに載っている。長期公演故のアクシデント等を考慮しているのかもしれない。でもそう考えるとフラメンコダンサーが一人だけというのが妙に思える。過去の公演だとアイリッシュの男性、女性、フラメンコそれぞれ2人ずつパンフレットに載っていた気がする。アイリッシュのペアは大体固定されていた気がする。印象としては夜公演がメイン、昼公演がサブといった感じか。ただこれは私の思い込みの可能性大。今回の公演では男女のペアが結構入れ替わっている。それでも夜公演の男性プリンシパルはJOE MORIARTYさんが多いのかな。このJOEさん、見れば分かるがとにかく細い。長身で細見のせいで、6月7日のダブリナーズイベントの時に、彼と気付かなかったお客さんで「誰?あのつまようじ」と言ってしまった方がいるとかいないとか・・・。そこで「マッチ棒」と言われない辺りが小顔の西洋人ならではか。でも近くで見ると筋肉のつき方とかはさすがで、なおかつとても気さくで笑顔の素敵な方でした。男性プリンシパルで私が見たのはJoeさん以外ではJASON OREMUSさん。ダンスの演出など細かい違いは私には分からないが、一つ大きな特徴(大げさだが)がある。「Reel Around the Sun」の最後、決めポーズで男性プリンシパルは手のひらを上に向けたY字ポーズを取る。そして低い音と共に手のひらを下に向け、静に手を下ろしてダンサー退場となるのだが、Jasonさんはこの時にパッと手を握る。面白いことに、この瞬間なり続けていた会場の拍手がピタリと止まる。今まで見たことのない演出だが、「会場の視線を一身に集め、全体を掌握する」という感じがとっても面白い。女性プリンシパルについて、ダンサーによる演出の違いなど申し訳ないがあまり印象にない。男性に比べてアドリブをするシーンがないのもその理由だが単に私の目が悪いという方が有力だろう。ただこの日見た女性プリンシパル(記録忘れ CARLA OユBRIENさんだったかな)は小柄な方だったのだが、全身を大きく使って非常に伸びやかに踊っている印象を受けた。「The Countess Cathleen」で男性ダンサーを退場させる振り付け、フロントクリックは以前から使っているけど、今回の演出では本当に蹴られているようにも見えるくらいアクションが大きい気がする。これは誰がプリンシパルであっても同じ印象。もしかするとCompanyの特色なのかもしれない。

 第2部最初の「American Wake」の中の「Lift the Wing」、今回私が見た公演は全て女性がソロで歌っています。仙台では男性も歌っていた、と耳にしたのですが、まるみんさんの仙台レポートを見るともしかすると今回全公演ソロなのかもしれませんね。ところでこの「American Wake」、演出が村祭のイメージで非常に楽しげで、舞台の方でも手拍子をしているのに客席が何故かおとなしい!毎回というわけではありませんが、7日の夜公演と今回と、客席のノリが今一な状況が続いたので少々不満。舞台上で手拍子している時くらい客席も一緒にノリましょうよ、ねぇ・・・。

 「Heel Their Hearts」の後半、ソリストのMARKさんを囲んで他の出演者たちも歌います。この時舞台の右の方にはフラメンコのROCIOさんとTap Danceのダンサー2人が立っています。歌声までは聞き分けられませんが、「お、こんなところに」って感じでちょっと面白かった。さて、「Heel Their Hearts」が終わると次は「Trading Tap」なわけですが、この時音楽が流れるとすぐに舞台奥の階段の上にTapの黒人ダンサーが滑り出てきます。ついさっきまでバックコーラスで舞台にいたはずで、数えて見ると舞台袖に消えてから再び現れるまで約7〜8秒。舞台裏でどんな動きをしているのか見えませんが、その慌しさとそれを感じさせないところはさすがです。

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