RD2003:11/9昼:Understudyの方がいい!?

Nov. 16, 2003
posted by moriy

実はアンダースタディがリードになる公演というのを観るのは今回がはじめて。

フォーラムは毎度の行列。トイレの位置とエスカレーターの配置に無駄が多すぎないかこのホールは。

席はトントンさんに譲っていただいた8列目49番(感謝です)。開演前、舞台袖のほうからいつものタップ音。いつものようにバンドのメンバーが現れ、拍手が起こる。ホールの照明が落ち、スモークが流れてくる。あれ、前回(11/5)はこんなに出てなかった・・・っていうか今回出しすぎ?

席が舞台に近いせいか、なんとなく観ているこちらにも緊張感がある。Reel around the Sun。乱れのない群舞に続いて、男性リードの登場の瞬間。

ふと初来日の時の同じ瞬間を思い出す。Breándanさんがステージに現れたときのあのスピード感、骨太の存在感、そして伸びやかな明るさ。

今回のリードダンサー、Joe(Joseph) MoriartyさんにはそのBreándanさんを思い起こさせる雰囲気があります。掲示板でみなさんが言っているように、髪型や顔の形が似ているということがまずひとつ、そしてもうひとつ、その人の持つ明るさがそのダンススタイルから伝わってくるところ。Conorさんが割と、ひとつひとつの動きをきちっと決めてくるのに対して、Joeさんはあまり抑制された感じがしません。ジャンプすれば思いっきり跳び上がり、走ればステージを突き抜けそう。

もちろんそれはそう見えるだけで、実際ハメをはずしているわけではないのですが、なんとなくそんな若さというか、元気が伝わってくる感じがします。

Countess Cathleen。Susanさんはその豊かで美しい髪、きりっとした顔立ちが際立って、非常に気高いお姫さまでありますね。ビデオでしか見られなかったJean姫が、鳥の羽根の軽さを感じさせたのに対して(Joanneさんもそうかな)、Susanさんはしなやかな鹿の跳躍。

初日のレポートで「生タップ音重視」の話を書きましたけれど、やっぱりその傾向は確実にあります。足パク/生音の区別が非常にわかりやすく、生音重視の男性ソロ部分では、周りの音に消されて、後ろのほうの席ではタップ音が聴こえなかっただろうと思います。

ThunderstormでもJoeさんいい感じです。正直、はじめのうちはBreándanさんやConorさんのような「びしっと決まる存在感」が感じられず物足りなかったのですが(若いんでしょうしね)、逆にこの人はそういう重さにとらわれていないところがいいのかも、と思えてきました。

そして、SusanさんとJoeさんペアでのRiverdance。
これ、私が生で観た中で、最高のひとつといえる出来のRiverdanceだったと思います。各人の技術だとか存在感という意味ではいろいろ言われるかもしれませんけど、ダンサーとバンド、ダンサー同士の呼吸がぴったり合って、約7分間を息をのむ勢いで魅せてくれました。

会場の明かりがつく。・・・いいじゃないですか、このおふたり。失礼ながら初日のプリンシパルよりも断然、圧倒的にいい。


個人的に感じるRiverdanceの魅力というものが、決して突出したスターが支えるものではなく、全体の作品としての完成度にあるということをあらためて認識しますね。もちろんスターがいたほうがいいと思いますけれど、スターがいればいいというものではないですよね。一人のスターを輝かせるための演出で押し切ることはしない、と。

いくつものステージを経て磨かれてきた曲と、それを具現化する演奏とダンスが、いつも私たちの深いところにある感動を呼び起こしてくれる。メンバーの呼吸が合っているからそれは成功するし、それが観客の呼吸とも合うことでホール全体が熱気に包まれる。

客席も、日曜の昼間ということで年齢分布や職業はバラバラだったと思いますが、みなさんそれぞれに楽しんでいたようです。


第2部、American Wake〜Freedomの演奏・歌も非常に印象的。さっきのRiverdanceで、あらためて感覚がリセットされたようで、あらためてHeal Their Heartsでうるうる来たりして。Freedomで、おそらくSingersの一人だと思うんですけれど、すごく声の通る方がいて目立ちました。

Trading TapsでもJoeさん跳びます。タップ陣のソロはWalterさんではなくRogelloさん。客席のウケもよく、初日よりも盛り上がります。

フラメンコ好きの方が多いのか、Yolandaさんにはひときわ大きな拍手が。ま、フラメンコ好きでなくとも、Yolandaさんがたった一人で大きな役割を果たしているというので拍手したくなるのかもしれませんけれど。

Finaleで(やっぱり演目減ったの残念だけど)、Susanさん金色の衣装が髪の毛にマッチして非常にゴージャス。もうしわけないけど、Joanneさんより似合ってます。

軽やかでエネルギッシュなJoe & SusanのRiverdance、たいへん結構でした。

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