RD2000:11/26昼:RD11/26マチネのレポートでござい!

Kazuさんからの勢いのあるレポートですっ! 席が舞台に近いと衣装の細かいところまで(アラも含めて)よく見えるんですね。
posted by Kazu

静岡のKazuより11/26 マチネのレポートをお届け!

初めてのナマRDにつき、皆さんのレポート熟読し、しっかり「予習」。
でも期待しすぎは禁物と、ハヤる我が心を鎮めるのに必死の数日間。
もうもう、これが期待せずにいらりょーか、と鼻息荒く静岡から東京へ乗込みました!

<すごい幸運>

公演前日、同じ公演のチケットを持っていた知人が急用で行かれないと譲ってくれた席。なんと1階6列目!きゃ〜。うそうそ。アイルランドの神様、どうもありがとう! (自分で取ったチケットは他の人に譲りました。)

<開演前>

開演50分前入場。全く混雑なし。入場待ちの長蛇の列をカクゴしていたので意外。

案内版によると、本日もマリア姉さんご出演。ありがとうございます!
アイリッシュのプリンシパルは・・・"男性Donnacha Howard、女性Siobhan Lambert"はい?

ブランダンさんの凄さ、決して「代役」などではないというJulieさんを見られるとばかり思っていたので、すごくショックでブルーな気分に。が、ホールに入り気持ち再び大高揚。1階6列って、実は2列目じゃございませんか!
(4列分前方に張り出してステージ作ってある?)

左ブロックの右端2席。舞台正面ややナナメ。バンドの真横。嗚呼。何たる幸せでしょうか。再びアイルランドの神様仏様、ほんとうにどうもありがとう!

開演10分前なのに客席約3割がまだ空席。
直前駆け込み組多数で開演が少し遅れました。ぶ〜!エチケット違反ですぅ!

<プリンシパルお二人>

Donnacha Howardさん・・・
正直に書きます。背高くない。お尻大きいから腿も太く、足も短めでパンツ姿がサマにならない。だからハイキック?もあんまりきれいに見えない。色白。すっごく色白。肌と殆ど同じ色の金髪のクルーカット。

君は新兵かい?青いおメメの林檎のほっぺちゃん。実年齢わかりませんが、とにかく すっごく若い、うんにゃ、幼いルックス。喩えるなら「アメリカ中流家庭育ちのお利口なお坊ちゃん。アイビーリーグの1年生」。
(オフィシャルサイトのキャストプロフィール写真で納得して下さい。)

NY公演ビデオのコリンさんと、あまりにもキャラが違い過ぎです。存在感無し。衣装が違わなければ群舞メンバーと区別つきません。カリスマ性はおろか、色気のかけらも無い。眼力も無い。「おぅ、どうよ、どうよ!」というナルシズムも、”毒”も全く感じられません。溢れる情熱を胸に秘め、ステップに全てを託す・・・みたいな空気がなきゃ、イヤだ!

ダンスも、リードに選ばれるんだから上手なのでしょうが、う〜ん。キレが無い。決まらない。メリハリが無いよぉ。「一生懸命に全力投球してる」のは痛いほどわかるのですがだからこそ全然ゆとりがない感じ。表情にも余裕が無い。タップのテンポも遅れ気味。

ステップが激しくなると、バランスを取るためなのか腕がフラフラと中途半端に上がり、宙を泳ぐ。リバーダンスのアイデンティティーともいえる「微動だにしない上半身」の魅力ははっきり言ってゼロでした。(ド素人が酷評して、スミマセン・・・ Donnachaさんゴメンなさい。)でもすごくさわやかな青年です←フォローになってないか・・・

女性Siobhanさんも期待のキャラとは正反対。とにかくかわいい。ぱっちりオメメ。ぷっくりほっぺ。(光岡ディオンに似てると思いました。わかります?)

The Countess Cathleenで、男性を突き放すシーンでは一生懸命眉間に皺よせて、表情でも演技してますって感じ。踊るのが楽しくて楽しくて仕方がないのでしょう、他の場面では終始笑顔、笑顔。すごく明るい素直な笑顔はとってもチャーミングでした。でも 神秘性、クールさ、シャープさ、繊細さなどは無く、どうしてもイメージ違うなあ。彼女も「一生懸命さ」が前面に出ているタイプ。やっぱ、素直でお利口なお嬢ちゃんがそのまま大きくなりました、という印象。プリンシパル二人のキャラの整合性という意味では良かった・・・(のかな?)

このお二人は「青い風。」若葉の薫りを感じました。
だからねぇ・・・マリア姉さんに食われてました。完全に。マリア姉さんが全ダンサーのおかあさんみたいでした。

<マリア姉さん>

ビデオよりかなり体が絞れてる様子。ずっと若々しく見えました。Firedance-指や腕の、まるで独立した生命体のような妖艶な動き。筆舌しがたい魅力。なまめかしい。

そして6人のお坊ちゃまを従えての、ハードなターンが繰り返され、きりっ、きりっと首を翻してキメているうちに・・・あっ、髪を留めてるピンが1本吹っ飛んだ・・・あ、またとれた、あ、もう1本・・・次々とピンが飛び散り、お団子がばらけ、三ツ編みがほぐれて・・・遂にはバラ髪に。そして姉さんの目がキラリ!おぅぅ!ぞくぞくするほど色っぽい。
こんなに「必然性」を感じたアクシデントって初めて。

タイトに結い上げた髪の姉さんが「Goddess」とすると、踊りながらGoddessが「生身の人間のおんな」になっていく。よもや演出では、と思うほど情熱的でステキでした。本来姉さんのバラ髪は後半で出てくるんでしたよね。赤いドレスの姉さんのバラ髪姿、皆さんご覧になったことないでしょ。役得役得。(1部終了後、スタッフが懐中電灯持参でステージ点検。たくさんのヘアピンを回収して行きました。)

踊りの途中、「ヘイ!」「ィヤ!」などと叫ぶマリア姉さん。それが意外にもけっこうかわいい声なんです。

<タップバトルの行方>

Trading Tapsは3人対3人でした。
ビデオより、すごく演劇的要素が高まってましたね。アメリカBoys、芝居も上手いったらないです。アイリッシュBoysに気付き、おいおいと指差すシーンなど全体を通じマイムがよりはっきり、わかりやすくなっておりこの場面、最初からお客さんの反応がすごく良く、笑い声もあがりました。反目しつつ、最後には認め合い打ち解けるというドラマがとてもよく表現されていたと思います。

しかしここでもアイリッシュ組、食われマス。並んでステージを端から端へステップ移動するところ、アメリカ君のスピードの方が断然速く、何度もアイリッシュ君を追い抜きそうになるし。余裕のアメリカ組に対し、精一杯のアイリッシュ組。

<歌>

プリンシパルが予想外だったから、というワケではありませんがこのステージ、期待以上に歌に感動。クワイアのハーモニーの厳かさ。哀しいまでの静謐さ。鳥肌です。ビデオからではとても想像できない美しさ。男声と女声のバランスが抜群。そして特に女性シンガーの皆さんの穏やかで優しい表情が何とも良かった。女声ソロの方(Coletteさんではない人?パンフの写真と顔がまるで違う)の声が若々しい、草原をわたる風をイメージさせました。奇しくも?プリンシパル二人のイメージと合ってたようですネ。

「心を癒せ、魂を充たせ。」の熱唱。ミッシエルさんの雄々しく包容力ある歌声に涙が出ました。素晴らしかったです。この歌声に全てを預けてしまいたくなりました。

学生時代 合唱部だったのですが、いつのまにか忘れていた人間の声の力の凄さをあらためて実感させてもらいました。人間の体も「楽器」なのです。また合唱やりたくなっちゃった。

<バンド>

何て楽しそうに演奏するのでしょうか!
皆さん自分の故郷の楽器、メロディーに誇りと愛情を持っているんですね。フィドルのモーリンさんとドラムのノエルさんの掛け合い、楽器でお喋りしてるみたい。

アイリーン・アイヴァースさんのブルーのエレキヴァイオリンも好きですがモーリンさんのバーガンディ色のエレキヴァイオリン、彼女のムードにぴったり。衣装の色までヴァイオリンとコーディネイトしていて憎いなぁ。

アイリーンさんに憧れ、ヴァイオリンを習い始めて3年ですが、モーリンさんの奏法を見てびっくり。ヴァイオリンを肩に載せてない。顎で挟んでない。鎖骨間、喉の下、胸の上で体の真ん中へんに載せてる!しかも、弓をすごく上の方で持ってる。ヴァイオリン教室のセンセイからNGと教わったことばかり。
あれでもあ〜んなに上手に弾けちゃうのね。自由に自然体に弾いていいんですね! (よ〜し、じゃ、私も・・・)

そしてアクースティックヴァイオリンの音色もとても雄弁で艶やかでした。また、伝統的な民族楽器の音色とエレキギターのアーティフィシャルな音色との見事な融合にも唸りました。酔った〜。酔いました。

<衣装>

とっかえひっかえ!
出てくるごとに衣装違い。RDの宝塚化?舞台裏は着替えで大変だったのでは?

クワイアの女性の衣装もグンとドレスアップ。石造りの古城の壁にかかるタペストリーを連想させるゴブラン織風のマントを羽織った美しいエメラルドグリーンのドレスなど、その佇まいでダンスの背景に絵画的な要素を加えたと思います。
(そのくせ、男性が今年流行りのライダーズジャケットみたいだったのはどうしたってそぐわないんですけど。)

American Wakeの衣装は、以前よりずっと「人々の生活のにおい」が感じられ、祭りの賑やかさ、その後の別れの辛さをイメージしやすく、二重マル。マリア姉さん、黒いタイトのミニドレスもイケます。何でも自分のモノにしちまうのね。モーリンさんも大人っぽいパンツルック→パープルのミニドレス(危ういミニ具合)→民族調ドレスとイメチェン。なかなかステキです。

その他明るい色、素材の種類、デザイン、そしてスパンコールが増えたのもまあ、いいでしょう。

しか〜し!不満も一杯。
ロシアの皆さんの衣装、ロシアらしさが全然なくなっちゃった。改悪ですね。Home And The Heartland〜フィナーレの女性の衣装 悪趣味!全く唐突な赤&黒のぴらぴらなのは何ですか!中途ハンパな花のモチーフくっついてるし!全然イメージ合わず、他のダンサーの衣装とケンカしとるぢゃないですか。(SOTDのスパニッシュダンスシーン思い出しちゃった)派手ならいいというものでは無いデス。やっぱり赤はマリア姉さんだけにしましょうよ。

そして色白Donnachaお坊ちゃん、衣装に着られちゃっています。彼にちゃんと似合う衣装だったら、印象もっと良かったかも。あの衣装はブランダンさんの為のデザインなんだろうなぁ、きっと。リバー!の時には、統一感、一体感を増幅するような衣装が見たかった。抑えた色調、シンプルなデザインの方がいいと思います。余計なモノを削ぎ落としたストイックさこそが肉体の動きを引き立たせるのでは?個人的にはビデオの衣装のほうが、よりぞくぞく来ます。

<客席>

平均年齢高めでしたが、前5列ほどは若者多く、特に3列目中央ブロックに いかにも「事情通」オーラを漂わせた大学生らしき男の子たち数人が陣取っていて彼らがオーディエンスを引っ張ってくれました。感謝感謝。

「たった一人でもスタンディングするもん。声上げるもん」と固い決意で行ったのですが、無用の心配でした。プリンシパルが出てくりゃ拍手。見事なステップで拍手。ソロの演奏に拍手。モーリンさんを煽る煽る。American Wakeでは、静かなメロディからセットダンスに切り替わるやいなやすかさず手拍子。ダンサーものびのびして楽しそう!

皆さんのレポートでは、前列のほうがおとなし目傾向とのことでしたがこの日は、前列集団が一番興奮してましたヨ。私も負けてはならじと、頭上で手拍子、ヒューヒュー歓声を飛ばしました!1部のラストで既にスタンディングオベーション。フィナーレではプリンシパル二人も、マリア姉さんも、でこっぱちロシア3人娘も、みんな笑顔笑顔。客席も笑顔笑顔!大団円!う〜、ぞくぞくぞくぞくぞく!それなのに、アンコールが無かった!バンドの皆さんさっさとひっこんでしまいました。やっぱりマチネって、夜に比べ出演者は今一つ気合いが入らないのかな?

<座席のメリット・デメリット>

思いがけず2列目で見られて非常にラッキーでした。ディテールがよく見えること見えること。出演者の表情も、筋肉の動きも見て取れる。衣装の素材しかり。ステップの足さばきしかり。楽器も細部まで観察でき興味深かったです。

皆さんのご不満だった音響面のアンバランスやノイズももちろん調整されたのでしょうが、ステージやバンドに近いためかほとんど気になりませんでした。特にクワイアは生の声が聞き取れました。

でも何よりも、プリンシパル二人とも、マリア姉さんとも、モーリンさんともあのヒトともこのヒトともビシバシ目が合いましたわ。ウフ。モーリンさんのソロに合わせ体で大きくリズムを取っていたら、モーリンさんが何度も微笑みかけてくれ、ウインクも!そして、嗚呼!マリア姉さんの流し目が、バチっ!と我が眼に刺さった時には心臓がきゅーん!死んでもいいわ〜という感じでした。

ただ逆に近すぎて、全体のバランスやフォーメーションを楽しむことは出来なかった・・・
などと贅沢を言っておりますね。

<おわりに>

東京公演日程の中ほど、マチネというスケジュールのためかベストメンバー構成でのベストコンディションというのでなく若手に経験を踏ませるチャンスとして今日のステージは使われたようです。研ぎ澄まされた感性と技巧の粋を見たかった私としてはとってもとっても残念でした。同行した配偶者の都合で、このマチネ以外選択の余地が無かったので仕方ありませんが。次の機会がもしあれば、何としても夜公演、願わくば千秋楽を見たいな。それを見なきゃ死ねないという思いです。

しかし、ブランダンさん、ジュリーさん、或いはジョアンさんのステージとは全く違う個性のRDを見られたわけで、これはこれで良かったと思うことにします。私が今回見るべきRDはこれだった、と。また、この日の観客のノリの良さにも「巡り合わせの妙」を感じます。まさに、観客とステージの一体感があったがためにがっかりした気持ちも救われたのですから。あのスタンディングオベーション、若いプリンシパル二人には日本公演の何よりの思い出になってくれるでしょう。

時間が許せば借金してでも全ステージ見たい。
そのくらい、ますますRDが好きになりました。この素晴らしいRDに巡り会えたこと、すっごく幸せです。ダンサー他全ての関係者の皆さん、来日公演を実現させてくれて本当に本当に どうもありがとう!また来て下さい!

<おまけ その一>

帰宅してオフィシャルサイトのキャストプロフィールをチェック。「舞台に出る前、必ずすることは何ですか?」の問に対しDonnacha君、「社会の窓が開いていないか確認する。」と答え、「今までで一番恥ずかしかったのは?」には「Trading Taps本番中に社会の窓が開いているのに気付いた時。」と答えておるではないですか。
もう〜!このおぼっちまんくん! そんなんだからカリスマ性が身につかないのよ!

<おまけ その二>

東京国際フォーラム ホールA、女性用トイレが少なすぎです。
休憩時間中ずっと並んだけど、2部開演を告げる無情のチャイムが。あきらめて席に戻りました。私はさいわい大丈夫でしたが、かなりの方が2部のアタマを見逃したか2部の後半辛かったのでは・・・。もっとトイレ増やして下さい!

せっかくの興奮も、トイレの列に長く並ぶと一気に現実に引き戻されて醒めてしまうんです。もったいない!係の女性が、「階下のトイレの方が広いので空いています。」と案内していてその親切な心遣いはよろしいんですけども、私はその階下の列に並び切れずに、こっちに来たクチなのよん。(涙)コーヒーの利尿作用が凶と出た?

<おまけ その三>

そのコーヒーサービスですが、皆さんのレポートで期待してたのにカプチーノじゃなかった。(ゴールドブレンドでした。)キットカットもクランチチョコも無かった。差別だ!ケチケチ!
(私も「ネスレさん、○○おいしゅうございました」と書きたかったのにな〜)

以上です!

レポートお待ちしてます
あなたも自分の視点で書いてみませんか?