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おいしいSOTD

6/6夜

moriy

shunさん




赤坂の3a出口を出て階段を上ると、現れるACTシアターの青いトタン壁。
赤坂ACT

もう開場時間を過ぎていたのですぐに受付を通ってロビーへ。なんとなく全体的に年齢層は高め。

グッズ売り場は帰りは混むだろうから・・・と、それらしきコーナーに行くと売っているのは公演パンフレット1,500円のみ。よく「アイルランド物産展」とかに売ってるようなよくわからない布やらアクセサリも売ってるんだけど、こちらは興味なし。

席に案内してもらうと、3列目はちゃんと3列目として存在していて、1列目は空席(というかはじめから売ってなかったんでしょうね)、2列目にはふつうのお客さん。特に一区画を関係者風の人が占めるというようなこともなく。24番っていうのはほぼ真ん中。1列目がいなくて、2列目とは互い違いになっているから遮るものがなくて非常に快適。でも客席全体の傾斜度合いはかなり小さいから、後ろの方の席になると前の人がじゃまになるかも。

開演間近になって後ろを振り返ると、席の埋まり具合は約7割といったところ。初日なのにというべきか、初日だから、なのか。はあ。

パンフレットは完全日本語版。LOTDには勝ってる? 写真の中の衣装にやったら「S 」の文字が縫い込まれているのがなんか微笑ましい。パンフの中に白い紙が一枚入っていて、演目らしき言葉が書いてあるのであれ、プログラム変更かな? と思ったら各演目についての説明書きでありました。

日本語ナレーション。「主人公は真実の愛を探して世界をめぐり・・・彼女は命を落とすが・・・Danny Boyによって命を取り戻し云々」と。ふーむ。

[ACT 1]
1. Prologue
- Danny Boy's Lament
- Spirit's Awakening
- Celtic Celebration
2. Spirit Song
3. Virtuoso(エレキフィドルのソロ)


なんか、このフィドルの兄さんがウケるんですよ。キャスト表を見ると・・・Daniel Tetlowさん。なんとなく一人で出てきて心細そうに見えるのが逆にいいのか、手拍子がけっこう出てました(音響でもかなりそれっぽい音を足していたようにも感じられましたが)。一生懸命で非常に好感でしたよ。他のダンサーの歌とかタップ音がかなり音響に頼ってるのに比べ、このパートだけはいかにも「いまこの場で弾いてる」感が強かったからかもしれません。

4. Celtic Charm
5. Flamenco


バレリーナ(Jennifer Amisonさん)が前の曲に続いておっきな扇子をもって踊り出して、川畑文子さんのファンダンス・・・という比喩を使おうかどうか迷っている間に黒と赤の衣装に身を包んだダンサーが出てきてフラメンコ風のダンスに。

6. Spirit's Born
7. Gypsy Passion
8. Ultimate Showdown


うーん。「Flamenco」をのぞいて、女性陣がみんなマタニティドレスみたいな衣装なんですよね。こう、腰じゃなくて胸下で締めてる感じ。この衣装だとなんかみんな太って見えるんです。もともと太めのダンサーが多いようなんですけどね。これはJean姫やJoanneさんを見なれてるからというのもあるかも。

床は木の板に、たぶん何か1枚貼っているような感じ。あまり足音がしないようにしているような印象がありました。3列目でありながらほとんど直接音がしなかったので・・・。それともマイク感度や音量(足パク含め)の調整であれだけメリハリつけられるのかなあ。



[ACT 2]
1. Saturnalia
2. Spirit Song
3. Tap Dance Fever


Tapという題名の割にはフィドルソロばっかりだったような・・・。
ここでひとつご注意。SOTDでは曲の終わり方に特徴があります。ある曲が終わって一回決めて、拍手を受けたあと、同じようなフレーズがまた鳴り出しますが、これは次の曲までのつなぎなので気にしないように。決してあなたの拍手のタイミングが早すぎたわけではありません。

4. A Dancers Tale
5. Viva!
6. The Meeting


ダンサーがいっぱい出てきてなんかやってるな・・・と思ったらDanny Boyが倒れている。あれ、Spirit(バレリーナ)が出てきたら一緒に歌い出した。・・・ん? 死んで生き返るのってDanny Boyだったの?

7. Duet
8. Fiddle Fantasia


フィドルのお兄さんがもう大活躍。引っ込むかな・・・とおもったら引き返してきて、「モウイッカイ?」会場やんやの拍手に同じフレーズを速弾き。また帰るのかな・・・と思わせて「モウイッカイ?」でさらに速弾き。しまいにゃひっくり返って寝っ転がりながら弾いてました。他の曲ではアシュレイ・マックアイザック先生ばりにダンサーと一緒にステップ踏みながら弾いたり、今回この人がいちばん盛り上げてました。

9. Tempest
10. The New Millennium


ダンサーがみんな楽しそうなのがすごく印象的。ダンサーのかけ声に客席がノセられてる感じ。これはもうノっちゃったほうがいいですよ。ここで約2時間弱。休憩が入るので実演時間90分くらいですね。



さて、ここで個人的な「SOTDをどうとらえるか」という意見。

ツッチーさんはクルマの比喩でRiverdanceやLord of the Danceとの比較をされて、「SOTD=大衆車」とおっしゃってましたが、私なら「SOTD=家庭料理」といきます。

それぞれ得意不得意はあるにせよ、ほぼすべてのダンサーがジャズ・アイリッシュ・バレエ・サルサ・フラメンコとあらゆるスタイルで踊り、なおかつ歌う(ほとんど口パクみたいですけどね)、というスタイルは、ダンスを見なれた人には批判も多いと思います。

「あれのどこがフラメンコなのよ」とか「アイリッシュ単純すぎるぞ」とか「ポイントがいい加減だぞ」とか。こういう意見はこれからどんどん出てくると思いますし確かにその通りだと思いますが、でもSOTDは家庭料理としてかなりのものなのではないかと。

そこそこおいしければ、リラックスして楽しく食べられることが重要な場合もあるわけで。SOTDもあんまり細かいところをつつくより、忙しい中で楽しそうに踊ってる(作ってる)ダンサー(ママ)が「スペイン風にしてみたの」って言うなら、それが専門のカンパニー(専門店)の味とは違っても、「おいしいね」って(不味ければ問題外ですが)ノセてあげた方がいいと思うんですが、いかがでしょう?

この比喩でいくと、LOTDは「カリスマシェフのいるモダンアイリッシュ専門店」、Riverdanceは「各国料理の専門家を集めた高級ホテルのレストラン」ですね。

どの料理を選ぶかはその日の気分次第ですが、値段が家庭料理並であれば、SOTDは文句なしに買いだと思いますよ。



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